北海道・十勝の秋。
霜の降りた朝、森の奥で鹿たちは静かに動き始める。
自然と人のあいだを生きる中で感じた、“命の季節”の記録。

秋の森に、静かな闘いが始まる。

夜明け前の空気は冷たく、霜が草を覆い、
森の奥から鹿たちの気配が漂ってくる。

枝が折れる音。風の通り抜ける音。
そのすべてが、季節の始まりを告げていた。


秋は、鹿たちにとって命の季節。
夏のあいだに蓄えた力を確かめ合うように、
角と角が触れ合い、
一瞬だけ、森の空気が張り詰める。

しかしそれは、争いではない。
命が互いを確かめる、静かな儀式のようなものだ。


やがて光が差し込み、森は再び静けさを取り戻す。
鹿たちは草を食み、霜は溶け、
空気が少しだけ柔らかくなる。

自然は、常に語りかけてくる。

君は、なぜここにいるのか。
君は、何を見て、何を感じているのか。

秋の森に立つと、
その問いが風に乗って届いてくる。


自然は、師であり、鏡であり、試練である。
そしてその前では、誰もが等しく小さい。

今日もまた、森は何も語らない。
けれど、その沈黙の中に、すべての答えがある。


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👉 秋の森、静かな闘い ― 鹿たちの季節|the CATCHER in the STREAM


🏷 タグ

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💬 作者

菊池秀明
北海道・十勝の狩猟者。
自然と人のあいだを生きる時間を、映像と文章で記録しています。

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